果たして彼が、どなた様なのか。
見たところどう考えても、アノ漫画のアノ人。
銀魂の、マヨラー。
黒いお犬様。
そして目の前の、黒いお犬様な彼。
格好良すぎる。
完璧過ぎる。
ロマンチストだけどリアリストな脳は、
「いやいや違うでしょ。ありえないでしょ」
などと同じ言葉を繰り返している。
コスプレ?
短絡的だが、一番ありえて現実的な答え。
にしては、もう一度言うが・・。
格好良すぎる。
完璧過ぎる。
完璧主義なレイヤーさん?
本気コスプレ?
だと、して。
こんなド田舎の何処にコス会場が?!
それ以前に人ん家の庭から出てくるとか何?!
そこの草しかない庭で何してたの。
着替えですか。
着替えであってくれ。
出すもん出してた、とかだったらお兄さんを殺しかねないです(下品)
それではようやく本題。
「何、してるんですか・・?」
もしも危ない人だった時のために、携帯と車のキーを握り締めて聞いた。
警察でも何でも呼びながら愛車で逃げますよ(弾みで轢いたらスミマセン)
「 チェンジで 」 02
女の背後にはちょうどデカく青い山が見えて、俺はそれに内心で驚いた。
江戸からじゃこの山は、こんなにも大きくは見えない・・。
日本一の、富士の山。
江戸の森を抜けてここへ出たはずだ。
近くに山なんてなかった。
比較的町の近くにある小さな森で、だからこそ子供がよく入り込んで・・・
神隠し?
唐突に気付いた。
ここは世界が違う、と。
自分は神隠しに遭ったのだと。
肌に伝わる空気が、時間の流れがオカシイ。
サワサワと風に吹かれて、背後で草が揺れた。
ここから来た。
ならばここをまた行けば・・・いや、無理だ。
何故か分かった。
この草むらはもう、道を閉ざしている。
「何、してるんですか・・?」
長い間黙って俺を凝視していた女が、ようやく口を開いた。
何をしてるか、だって?
「帰る方法を、考えている」
答えなんて考える間もなく口から出た言葉。
我ながらなんとも間抜け。
どうすりゃいいんだ・・?