一言二言と声を聞いていると、とっても美声なことに気付きました。
「・・・・・・うん、よし」
一人何かを納得したような、決心したようなお兄さんが口を開いた。
「はじめに言っておくが、俺は怪しい奴じゃねえ」
「はあ・・」
頷き、つつも脳内じゃ
「はい先生!“怪しい奴じゃねえ”って言う人の方が怪しいと思います!」
と
「ちょっ、ヤバっ、いい声!めっちゃいい声してる!」
ツッコミと腐った根性が鬩ぎ合っていた。
「あー・・・そうだな、何から話せばいいのか・・」
その美声がなんとも、まあ・・
「・・・・・ゾロ」
大海原で大剣豪目指すマリモハニーと全く同じような。
たまにニュース番組で聞くナレーションと全く同じような。
大江戸で頑張ってるマヨラー副長と全く同じような。
中井さんボイスのような。
グッと小さくガッツポーズしてしまったのは仕方のない事だと思います。
「 チェンジで 」 04
女は相変わらず、感情の読めない真顔。
「はじめに言っておくが、俺は怪しい奴じゃねえ」
「はあ・・」
話し始めながらも自分自身、これじゃ完璧怪しい奴に見えんじゃねえか・・?と思う。
つーか怪しいよ俺。うん。
「あー・・・そうだな、何から話せばいいのか・・」
出来ればこの場で、この女相手だけで終わらせてしまいたい。
どう話せば、こんな“神隠し”なんつー空想話みたいな出来事を信じて貰えるか。
・・・・・分かんねー。
「・・・・・ 」
その時、女が何かを言ったような気がした。
だが目を向けた変わらない真顔に気のせいだったかと頭の中を切り替える。
とりあえず、名前だけでも名乗るべきかと考えて・・
「とりあえず・・・お名前聞いてもよろしいですか土方さん」
「あ、ああ。俺は土方十四・・アレ?」
「・・・アレ?」
何だ。
今何て言った?