細かい振動に気付いて目線を移す。
手に握り締めたまま放置していた携帯に、着信。
これから遊ぶ予定の友の名。
待ち合わせの時間は二十分も過ぎていたが、いつものこと。

「へい小英、何だい」

『何だいって・・時計見ろよ。私たち待ってるからね?』

「うん、知ってる」

『・・だよねー』

機械越しでも分かる、諦めきった友の声。
十分や二十分の遅れ、オレにとっちゃ日常茶飯事。
オレと遊ぶ友にとっても。

話しながら目だけは「土方十四郎」を観察。
オレの不躾な目線に居心地悪そうな顔をする彼。

ふふふ、面白いw←ドS

こんな状況を一人で味わうなんて勿体無い!

「ね、近鈴の車あるでしょ?」

『ん?あるけど、迎え行く?』

電話口の友とは別、もう一人の友の名を出す。
後ろで喧しく騒ぐ声が聞こえてくるが、オレも小英もシカト。

「じゃ、ちょっとウチにおいでよ」

面白いものがあるよw






 「 チェンジで 」 07 





響いたバイブの音は女の携帯だった。
長方形の赤い携帯を耳に当て話し始める。
その声の気軽さから見て、相手は友人のようだが・・・目線が痛ぇ。

なぜ俺を見る?!(しかもまるで観察するように!)

ちくしょう早く終わらせろ。
俺との話に戻れ。
とっとと帰りてえのに・・!

俺の焦る気持ちを知っているかのように長引く会話。
向こうだけが余裕そうで落ち着かない。
そんな時に、女はまたニィっと笑んだ。

「じゃ、ちょっとウチにおいでよ」

面白いものがあるよw
って、俺のことか?!