憑いたたたた!





万事屋銀さん。
坂田銀時。
銀さん。
銀さん、ねえ、銀さんってば。

「うるっさい!少し黙らっしゃい!」

「・・・銀ちゃん?」

「銀さん、やっぱり病院に・・」

「ほら見ろ!俺の頭がオカシイと思うじゃんね!」

誰の目から見ても、今の銀さんは少し自棄になっている。
まあ当たり前か。
傍目には何もない空間に向かって、一人怒鳴りつける銀さん。
天然パーマがとうとう脳にキたかと思うわな。

「おまっ、全国の天パーに謝れコノヤロー!」

ほらほら銀さん。
子供たちが哀れんだ目を向けながら救急車を呼ぼうとしているよ?

「え、ちょ、待ってコラァアアア!」

「だって銀さんオカシイですよ!変です!」

「薬中?銀ちゃん薬ヤって飛んでるアル?あいきゃんふらい?」

「のっとふらいぃいいいい!!」

目の前で繰り広げられる万事屋一家の騒動が、なんとも微笑ましい。

どうやら私が見えて、私の声が聞こえるのは銀さんだけらしい。
五分ほど前に散歩と買い物から帰ってきた新八と神楽は私を素通り。
いくら銀さんが涙ながらに事を訴えても、無駄。
仕舞いには銀さんの頭がオカシクなったと心配する始末。
やれやれ、困りましたねー。

「他人事みたいに言ってんじゃねえよコノヤロー!」

宙に吠える銀さん、ますます墓穴掘ってるよ。
子供二人、本格的に泣きそうな顔になってる。
可哀想に・・・神楽なんか、もう、可愛いなー!
可愛い頭、撫でたいなー!

「だ、ダメだ!触るな呪われる!!」

あ、ひっどい。
呪いなんてしないっつーの。
撫でてやるコノヤロー!

「あ!てめっ」

銀さんの私を掴もうとする手はスルリ、通り抜ける。
幽霊だもん当たり前ー!
なんの障害もなく可愛い神楽の真ん前に。
そっと、触れられるかも分からない頭に手を伸ばした。

「あ、おま・・!」

「・・・、あ!」

・・・あ、触れた。
と思ったら、神楽の青い目がはっきりと私を捉える。
神楽が私を見てる。

「裸の姉ちゃんがいるネ!銀ちゃん卑猥ヨ!卑猥!」

「な、何言ってるの神楽ちゃん?!」

「神楽、お前・・・」

見えるの?