憑いたたたたた!
私が触れると、銀さん以外の人でも私が認識出来るようになるみたいだ。
神楽の頭を撫でた後、隣りで困惑していた新八の頭をポカッと叩いた。
「痛っ、な、なに・・・ぅわぁああああ!」
新八はハッキリ私を目を合わせ、それから直ぐに顔を真っ赤にさせた。
目を両手で覆い隠して背を向ける。
「な、な、何なんですか?!!」
「おお、新八にも見えるか・・」
「銀ちゃんこの姉ちゃんと話してたアルね」
神楽の無垢な目がじっと私を見る。
神楽、可愛いねー。
「あったり前ネ!」
フンッなんて、ない胸張る姿がまた何とも・・
「“ない胸”言うたカ貴様ぁああああ!!」
「落ち着け神楽ぁ!」
あっはっはっは!
かっわいいー!!
暢気に大口開けて笑う私。
新八はさっきから
「服!服を!服を!」
なんてブツブツ言ってる。
思春期の少年にはやっぱり目の毒だったかなー?
半透明とはいえ、裸には変わりないもんね。
でも服はどうにもこうにも・・・出来ない。
なぜなら私は死んでいるからだ。
「そういうこと、そうサラッと言うなよ・・」
「姉ちゃん、実は可哀想アル・・?」
「なんか、も、ごめんなさい・・」
私はとりあえずと銀さんの背中に引っ付いて体を隠した。
こっちに顔を向けた三者は、なんとも複雑な顔。
あれ?
私って可哀想?
「死んじゃったネ。可哀想ヨ・・」
「そうですよ・・・他人事じゃないんです。自分のことですよ?」
「そうだなぁ・・・お前、名前は?」
え、名前?
ええっと・・・・・あれ。
名前、なんだっけ?
「え?」
名前、私の名前?
私、私は・・・大学生で、漫画とか、好きで。
大型のトラックが突っ込んできて、轢かれて、死んで。
あれ、なんでだろう。
覚えてるのに・・・銀さん、
「・・・」
神楽、
「・・・私?」
新八、
「僕?」
みんなみんな、銀魂のことは覚えてるの。
覚えてるけど、なんで、なんでだろう。
私自身を知らない。