憑いたたたたたたたたた!





銀さんはよく騒動に巻き込まれる。
昨日受けた依頼がまさにそう。
なんやかんやで(説明メンドウ)、只今追われている身です。

もちろん銀さんが。

「ちょ、鈴!他人事過ぎね?!」

木刀片手に全力で走りながら、器用に私へツッコミをくれる。
貴方のそんなところが、大好きです!!

「ありがとぉおおおお!」

ヤケクソなお礼を貰った。
銀さん必死そうですね・・・助けようか?
敵をかく乱させたり、位置を確認したり、私出来ると思うんだけど。

「っ!それを早く言えって!!!」

あらま、怒られた。
物陰へと隠れて息を整える銀さん。

それじゃあ、まずはちょっくら位置確認でもしてきます!

銀さんの背中から離れて思い切り空へ、空へ。
周囲に聳え建つ廃ビルと同じくらいまで上がって、さて。
武器を手に持った厳ついオジサンたちが、一人二人三人・・・八人、かな。
銀さんからは結構離れた場所で、二人ずつ周囲を探っている。
それを確認してから銀さんの元へ帰還。
ただいまー。

「ん、おう。どうだ?」

八人、遠くにいるから大丈夫だよ。
大体の位置も教える。
南方向に大通りが見えた。
きっとこの騒ぎに警察や真選組も動いてるだろうから、

「そうだな・・・そっち逃げるか」

よし来た!
それじゃあ私は、敵さんを思いっきり驚かせてやりますか!
もう一度上空へと飛んで、だけど銀さんが私を確認出来るくらいの宙に留まる。
周囲をしっかり確認しながら銀さんを誘導。

南へ、南へ。

敵を上手く避けながら。
どうしても邪魔な時は一旦銀さんに待ってもらって、かく乱。
ただ敵の近く、銀さんから遠ざかる方向で音を鳴らすだけ。
転がってる空き缶を放るなり、石を投げるなり。
敵は音に反応して勘違いな方向へと勝手に向かってくれる。
そしたら銀さんに合図を出して、コソコソとようやく大通りに出てきた。
町を歩く一般人の中で、厳しい顔をした警察官が多く見られる。

「ふぅ・・助かったぜ」

やっと一息吐いて、汗を拭う銀さん。
お疲れ様でーす。

「お前なぁ・・ああいう裏技あんならよ、もっと早くに言ってくれよ」

呆れに含まれた僅かな怒りに笑ってみせる。
そんなのダーメ。
裏技は使い過ぎるとバグが出ちゃうから!
大事なデータが消えちゃうよ?

「いや、それ、ゲームの話じゃねえか・・」

はあ、なんてあからさまに溜息吐く銀さん。
その草臥れた背中に引っ付いて、私は空を見上げた。

さあ、どうだろう・・・?