第一期 迷子
草がチクチクする。
小石や小枝が地味に痛い。
ズボンも欲しいが靴も欲しい。
まともな格好すらさせてもらえないって何だこの状況。
正直、泣いていいですか・・?
夢じゃないってのは、もう十分分かった。
何か知らんが現実だってのはちゃんと理解した。
だから、とりあえず、靴をくれ!(ズボンはいいやもう!靴!!)
携帯は電波ないから使えないし!(これなら携帯いらねえよ!)
ディスプレイで眩しく笑う漫画のキャラが、今日だけは憎たらしい・・(完全な八つ当たり)
迷子の時は動き回るな、と言うけれど。
ざっくざっく。
密林歩き回ってます。
ええ、もちろん、裸足でね!(ああもう地味に痛え!)
山育ちだからちょっとは山道慣れてるけどさあ!
だからって、な、も、ぅあああああ!!
「靴よこせチクショーがッ!!」
思わず叫んだ。
目覚めたら密林で、ジャージ上にパンツ一丁で、携帯は圏外で、裸足で。
あれ、ちょっ、本当に可哀想じゃん!(自分どうした?!)
理不尽過ぎる。
酷過ぎる。
何処だここは。
靴よこせ(何度でも言うぜ)
ざっくざっく歩き回っても、周囲の風景は相変わらずの密林(草と木と花と変なキノコ)
動物すらあまり見かけない。
まあ、猛獣がいても困ることこの上ないからいいんだけど。
風が吹いて木が揺れる音と、遠くで鳥の鳴く声。
耳に届くのはその程度、だと思っていたけど・・
「・・ん?」
集中して、よぉく耳を澄ませてみれば、僅かに聞こえてくる荒い音。
何かが動いてる?
走ってる?
音は近づいてくる。
「・・・・・やーん」
さて、これが猛獣だったら、どうしようか。