第一期 どこ?
物凄い速さで目の前に現れたのは、猛獣なんかじゃなく人間だった。
黒髪にくりっとした黒目。
土に汚れた格好と薄い無精ヒゲ。
一見するとおっさん臭い、が、まだ若そうな男の人。
「あ?」
「・・・ど、どうも」
ぽかんとした顔を向けられて、とりあえず挨拶で返す。
お互いにお互いを黙ってじっと見た。
どっかで、見たことない?
自分の脳に問いかける。
この人、どこか、何かで見たことある気がする・・・萌え関連の何かで!
なんだっけ?
どこだっけ?
頭の中のタンスを片っ端から引っ繰り返して情報を漁る。
どこ?
どこにいんの?
あれあれあれあれあれ??
あ、あった。
頭の中、オレは二冊の本を手に持っていた。
周りに散らばっているのはジャンプ関連の情報(キャラの顔やら名台詞やら)
とりあえず、二冊の本を片隅に置いて、
「あのー・・ここ、何処ですか?」
「・・・迷子か?」
ちっげえよアホ!!
怒りに任せ思わずそうツッコむところだった。
こっちだって好きでこんなとこウロウロしてたわけじゃないんだ。
だからって初対面の、しかも年上であろう相手にキツイツッコミは出来ない。
なんとか感情を押さえ込む。
「違います」
「そ、そうか。悪い・・」
飄々としていた彼が、どこか引き攣った表情になったのは気のせいか?(ちくしょーテメー)
バツの悪そうな顔で間誤付きながらも短い黒髪頭を掻いて、男は決定的な言葉を吐いた。
「えぇっと、ここは一応・・・ヨークシンの西にある島、だけど・・」
――ヨークシン
ああ、そんな神様・・!(殺してやる・・!)
バッチリ聞き慣れたその地の名を聞いて、自然と顔が引き攣る。
頭の片隅、持っていた二冊を見比べて・・・一冊を放った。
「・・・ちくしょう」
当たりだぜ。