第一期  修行!




山で異世界人のユーキを拾い、鍛えることになって一週間。
修行は「過酷」の一言。
戦いの初心者であるユーキは何度も死の淵を彷徨い、何度も泣いた。

なんてことも、なく。

「じぃ〜終わったぁ〜」

「もう?!」

優秀だった。
優秀過ぎた。
俺なんか要らないんじゃねーの?
こいつ一人でも十分生きていけるよ・・ってくらいに、ユーキは優秀な弟子だった。

「あー疲れた」

なんて言いつつも額に軽く汗が見えるだけ。
カップの冷たい水をぐびぐび漢らしく飲んでいる様には余裕しか感じられない。

山を三週、腕立て千回、腹筋千回、風呂用の水汲み。

一時間ほどで全て終わらせてきやがった。
なんだコイツは。
俺にどうしろっていうんだ。
基礎はもう十分じゃねーか。
これが世界の違い、か・・・?(恐怖)

「じぃ、ご飯」

腹減った、と。

お前は雛鳥か!
なんて、弟子のくせに師匠よりも泰平な態度へツッコんだのは最初だけ。
飯なんて弟子が作るもんだろ!
なんて、一回作らせてみたら壊滅的な味とどん底の哀しみに襲われたから最初だけ。
「じぃ」ってなんだよ「じぃ」って!
なんて、いつの間にか付けられた執事の爺さんみたいな愛称にツッコんだのも最初だけ。

「ごっはっん!ごっはっん!」

「へいへい・・」

普段は淡々と大人っぽいくせに、こういう時だけガキみたいな態度だ。
なんて扱い辛い。
なんて我が儘。
女だってことを忘れさせる男らしさだし・・。

ああ、カイトに・・カイトに会いたい・・・(あいつこそ本当の意味での優秀な弟子だ・・)

新弟子の唯我独尊ぶりに、実は俺の方がこっそり泣いている。