第一期  友達




「なんだ、ソレは」

「わんこ」

「元の場所に戻してきなさい!」

ウチじゃ飼えません!なんてどっかのオカンみたいな物言いに思わず笑ってしまった。

「飼わないよ。友達だもん」

「なら良し!」

即答かよ!
この動物好きめ!!

「んで、名前は?」

「今から考えんのー」

さっそく奪われた犬っころはジンに抱えられた。
大犬と子犬、まるで親子。
ゴンがいたらこんな感じ?
犬の親子・・・ウケるっ!

「わふっ」

一つ吠えてジンの顔を舐める。

「わふだってよ!わふ!」

「はしゃぐなよおっさん・・」

欲しかった子犬を誕生日にサプライズでプレゼントされた女子高生か己は。

「“わふ”にしようぜ名前!“わふ”!」

「ふざけんな」

適当に決めんなアホ!

「じゃどうすんだよー」

くしゃくしゃ大きな手で頭を撫で回されて、犬っころが気持ちよさそうに目を細めた。
あまりの可愛さに思わず和む。
ジンといっしょにうっとりだ。

「灰色だし、なんか灰っぽい名前で」

背中もお腹も灰色で、他に色がない。
地味だけど、単色だからこそキレイでもある。

「“グレイ”!」

「宇宙人かよ」

早速かましてくれたジンの阿呆な提案を却下。

「灰ねぇ、灰ハイはい・・・・“ねずみ”?」

「鼠色だから?」

「おう!」

「あっは」

いっぺん、死んでみる・・?
テメーが抱えてんのは犬だろが。
犬に“ねずみ”って呼ぶわけ?
頭の足りない螺旋探して来い。
そして戻ってくるな。

「薄墨色とも言うなぁ・・」

「他は?」

「んー・・・あ、鈍色!」

「・・・“ニビ”?」

“ねずみ”よりは百倍マシ。
だけど、なんか、こう・・・しっくりこない。
ジンはもう乗り気で“ニビ”と呼び始めちゃってる。
でも、しっくりこない!

「じゃ、“グレイ”ってことで」

「え?」

全身灰色の子犬、友達。
名前は、グレイ。