第一期 グレイ
てとてと、てとてと。
なんとも和む歩き方。
「わふっ」
キラキラ可愛い目を向けられて、思わず口元が緩んだ。
可愛い、可愛すぎるこの子。
もう存在自体が犯罪!?
「グレイ〜きゃわいい〜!」
「クゥゥ?」
ご飯食べたいの?
お散歩行きたいの?
もうお前のためなら何だってしてあげる!!
ジンとの修行も、もう半年。
滞在している街は結局まだアンゼルのまま。
街の中心部近くにあるジンの住処にて、二人と一匹の生活はとても順調。
ただ拾ってきて三ヶ月は経つグレイは体が弱い子らしく、なかなか大きくならない。
まあ、小さい方が可愛いけどさ・・でもずっと小さいままじゃ心配だ。
この子は好奇心が旺盛で、少し目を離すといつの間にか外で遊んでいたりする。
他の野良に襲われでもしたら大変だ。
「早くおっきくなろうねー」
「わっふ」
うむ、良いお返事。
「飯買ってきたぞコラー」
「おー。おかえり、じぃー」
「わふ!」
買出し(パシリ)に行っていたジンの帰宅。
テーブルに並べられる食材と、日用品と、
「何コレ?」
「あ?ノミとり首輪」
「あー・・・」
外で遊ぶことの多いグレイは体の弱さなんてなんのその、汚れるまで遊び倒す子でもあった。
だからか・・それとも変な所でこっそり遊んでもいるのか、ノミが・・!!
その対策と、買ってきたノミとり首輪。
太さがなくて苦しくなさそうな、真っ白いシンプルなもの。
ジンにしてはセンスがいい・・言って褒めてはやらないが。
「はーい、グレイさーん」
首元を撫でてあげながらその首輪をしてやる。
頼むぜ首輪様・・!
この子を助けてやってくれ!
首輪をして、ご飯を食べて、
「あ!またいない!」
「あー。グレイも上手いこといなくなるなー」
ジンでさえ気付かない内にいなくなるこの手際、半ば関心してしまう。
「捜索隊出動しますー」
「あ、・・俺も行くわ、暇だしな」
二人揃って出た外はもう薄暗く、日が落ちようとしていた。
物騒な時間帯がやってくる。
早く探しちゃおうとジンとは道を分かれて、オレは辺りの気配を探りつつ目を巡らせた。
「グレイー?」
いつも見つかるとこにもいない。
日が暮れる。
夜風が少し寒くなってきた。
「グレイさーん」
早くお家に帰ろうよー。
抱き合って温かくなろうよー。
いっしょにお風呂入ろうよー。
「グレイー。グレ・・い・・・?」
あれ?