第一期  どうでもいい




山で目が覚めるなんて、この世界にきたアノ日みたいだった。
隣りにはジン。

「ここに墓を作ってやろう」

そう優しく言われて、ああ、

「そっか・・」

グレイは死んだんだ。

生き物なんて遅かれ早かれいつか死ぬ。
だけど、早過ぎるよ。
胸にぽっかり穴が開いたような喪失感。
まだ血の臭いがする。
見れば全身、赤黒くパリパリと乾いた血がこびり付いていた。
あいつらの血。

「・・・最悪」

体が汚れた気分。
早く洗い流したい。

「川、行ってくる・・」

あからさまに不快を示した顔。
それにジンが、遣る瀬無いような渋い顔をした。

「お前・・・大丈夫なのか」

何が?

「・・・グレイのこと?」

グレイの死。
それも殺されての、死。
死んでしまったあの子のことをいつまで想ってても仕方ない。
うだうだ想ってグレイが成仏出来なかったら、それこそ可哀想だ。
でもジンは首を振って、

「グレイもだが、その・・・はじめてだっただろう?」

心配したその声色で、ようやく分かった。

「ああ、人殺し?」

「ん、まあ・・・」

気遣うような目と煮え切らない声。
心配してくれてるんだと分かる。
でも、オレは、

「別に、どうでもいい」

「・・は?」

「どうでもいいよ、あんなの」

罪悪感なんてクソくらえ。