第一期 切る
服ごと川に飛び込んで、全身洗浄。
血が流れていく。
息を止めて、体の力を抜いて、目を閉じて。
グレイ、大好きだったよ。
小さい友達を思い出す。
目の奥が自然と熱くなった。
涙もいっしょに流れていく。
ばいばい。
川から上がって、かき上げた髪の重さに辟易した。
ダメだこれ、血がべっとり絡み付いて落ちない。
「切れってか・・」
別に長髪に未練はないけど、ムカツク。
ジンのいるキャンプに戻って髪を切ろうとナイフを手にし、さあ、
「待てユーキ!早まるな!!」
必死な形相のおっさんに止められた。
早まるなって・・何を勘違いしてんだこの親父は。
「髪、切りたいだけなんだけど」
酷く冷えた目線を送ってやる。
「え、あ・・・わ、悪い。俺はてっきり、その・・」
「オレが自殺でもすると思ったの?このオレが?」
「・・・・・ないな」
「うん」
それは絶対にない。
自分で死ぬなんてバカらしいことやってられるか。
気を取り直して、まずは後ろ髪をばっさり。
「うお、そんな躊躇いもなく・・」
本人のオレよりもジンの方が未練たらしいのは何故だ。
あとは全体的に血があるとこを・・
「あ」
ここ鏡がない!!(だって山だもん)
「どうした?」
「・・・鏡」
「・・・ねえな」
だよねー。
オレ女の子だけど、手鏡すら持ってないよー。
「よし、じぃ!」
君に任せた!(ポケモン風)