第一期  危うさ




危うい。
こいつは危うい。

頭がいい、力がある、自分を分かっている。
だけど、その思考の危険さを理解しながらも受け入れている。
優しさと残酷さが同居して成り立っている。

危ない。

このまま鍛えていいのか・・?
このまま念を教えて大丈夫なのか・・?
俺はどうすればいい。
どうすればユーキを、ユーキらしく育てられる?

分からない。

ユーキに念を教えるのが・・・怖い。

どうなるか分からない。
どう成長していくか分からない。
どう力を使うか分からない。

「・・・ハッ、師匠失格だな・・」

自嘲気味に思わず呟いた俺の声を聞き取って、ユーキが振り向く。
長かった黒髪はすっかり短くなった。
女らしさが消えた代わりに、知的で利発な、少年のような印象が強い。
その顔が俺をじっと見つめ、「うぐっ」と奇声を発して歪んだ。

「じぃ・・ごめん・・・」

「ぇ・・」

沈みきった弟子の謝罪の意味が分からなかった。
問おうとした俺の様子に気付かず、目線を下げて顔を歪ませたユーキは、

「オレ、やっぱ変だ。オカシイ。全然平気なんて」

人、殺したのにね。

小さく呟かれたその声を聞き取って、脳で理解するよりも早く叫んでいた。

「いい!分かってりゃいいんだよ!!」

ユーキはユーキ、俺の弟子だ。
優秀で優しい、俺の弟子。
師匠がしっかりしねえでどうする!