第一期  師弟−1




叫んでから恥かしそうに咳払いして、ジンは肩の力を抜いた。

「・・・お前は優しいさ」

それだけ言うのもどこか恥かしそう。
だけどジンは穏やかに笑った。

「面倒だと言いながらまず他人の事を思っている。だからこそ、その反面、アノ非道さが・・」

そこでジンは始めて口を止めた。
思い悩むように目を泳がしたあと、オレの目をその強い眼差しで見つめ、些か低い声で言う。

「俺には怖い」

お前の力とその精神を、俺は見ていられない。
ジンが辛そうにそう言ったのを、オレは酷く冷静に聞いていた。

「・・・オレは強くならない方がいいの?」

「いや、それは違う」

数回の瞬きのあと問いた言葉はすぐさま否定された。
ジンは困ったように眉を寄せ、目尻を下げ、大きな手で後ろ頭をかく。

「だからこそお前には強さが必要なんだ。他人も自分も守れる“強さ”がな。
ただ、俺が言いたいのはだな、つまり・・・」

「じぃにオレの師匠は無理ってこと?」

「う、うん、まぁ・・・・そうだな。うん」

納得したように頷いてはいる。
でもこちらの様子を伺い見るようなジンのその瞳に、自然と笑みがこぼれる。

「んー・・・分かった。要は“オレに合った師匠”を見つければいいんデショ?」

ちゃらんぽらんな性格をしていても、自分のことは自分が一番理解しているつもりだ。
ジンの言う言葉に偽りも間違いもない。
頬が緩んでいくのを止められなかった。
ジンのその温かい優しさが嬉しくて。

あんたが師匠で良かった。