第一期 殺しの定義
殺し、殺され、殺す。
それは簡単に言ってしまうと、
「命を奪うこと」
あるいは、人生を。
その答えで満足してくれたのかは分からないが、ベルは一つ頷いた。
それから赤い目を瞬かせ、
「やはり、動揺くらいはしているか・・」
呟くように、だけど静かな空間では不思議と響いて聞こえた。
動揺?
何に?
誰が?
きょとん、理解出来ず首を傾げる。
構わずベルは続けた。
「人を殺したことに、ユーキ=ホムラが、だ」
「ぇ・・」
言っている意味が、分からない。
「“殺し”とは何か、俺はそう聞いた。
お前は答えた。
“命を奪うこと”だと。
それは暗に、生命を絶たせることを意味する。
お前は“殺し”の対象に命あるモノを選んだ。
考えてもみろ。
命である必要はない。
この問いで、人を殺す必要はない。
勢いを殺す、でも良かったのだ。
“命を奪うこと”、ではなく、“弱らせること”、でもな」
淡々と、坦々と、教えるようなその声色で気付いた。
罪悪感はない。
だけど、動揺はしていた。
血の赤が頭を離れないくらいには。
鼻に衝く鉄臭さをふとした拍子に思い出すくらいには。
あの日に、あの出来事に、自分がした事に、
「動揺、してたんだ・・」
気付かされてようやく心のどこかで、自分自身に安心していた。
それと同時に、
「・・・ん、待てよ?」
思い出せ、思い出してみろオレの脳細胞!
なんかオカシイぞ!
なんか引っかかる・・!
『ユーキ=ホムラ、お前にとっての“殺し”とは・・何だ』
ベルのこの問い、この問いの前に・・
『人を殺したそうだな』
「・・・・・ちょっ」
こんなこと事前に言われてりゃああいう答えになるに決まってんじゃん!?
え、何コレ誘導尋問?(頷くな!)
この人凄ぇとか思ったオレが馬鹿?(だから頷くなよ!)
ちくしょうシリアス台無し!!