第二期 密
唐突に思った。
ゆっくりなこの時間が、ユルイ空間があまりにも心地良くて。
あまりにも、オレたちに不似合いな気がして。
「大っ嫌い」
ぽつり呟いた。
なんの脈絡も、なんの感情もないその言葉。
背中を預けあっていたから自然と、彼が反応して動いたのが分かる。
「どうしたんだい、急に」
「・・・うん、別に」
本当に、別に、何も考えず口を出た言葉だった。
背中から体温が離れて、彼が離れたんだと分かる。
でも気配はちっとも離れなくて、音なんかたてず前に回りこんできた。
ニコッと笑う彼。
「・・・ねえ、なんで泣いてるの?」
ぱちぱち、思わぬ言葉に瞬きを数回。
もちろん彼が。
「泣いてる?ボクが?」
「うん」
素直に答えれば、彼は尚更可笑しそうに笑みを深めた。
ポンっと宥めるように手が頭に乗せられる。
「くくく・・」
「・・・大丈夫?」
「うんうん、大丈夫だよ」
彼の笑いは止まらない。
そんなに可笑しいこと言ったかな・・?
未だ頭に乗っかったままの彼の片手を道ずれに、首を傾げる。
だって泣いてるじゃん、アンタ。
気付いてないの?
「ほら、やっぱり泣いてる」
「大丈夫、ボクは泣いてないよ」
「泣いてるじゃん、いつも泣いてる」
「いつもかい・・?」
「うん、いつも」
すっと片手を彼の頬に伸ばして、やんわり撫でた。
やっぱり泣いてる。
いつもそう。
「ほら、ね」
つぅっと指で撫で示せば、ようやく合点がいったと彼は目を見開いた。
泣いている。
いつも泣いている。
ほら、涙が頬に・・
「ね?」
「・・・くくくっ、あっははははは」
堪えきれないといったふうに爆笑。
オレも、彼の涙を――フェイスペイントの雫を撫でたまま、爆笑。
「泣き虫!」
「ひどいなぁ・・」
二人、こんな風にゆったり過ごす。
不釣合いで不似合いな時間。
まぁいいか。
まぁいいや。
だって楽しいもん。
彼といっしょが、
ヒソカといるのが一番楽しい。
「・・・ぇ、何コレ何コレ」
頭を抱え込んだ。
何だ今の。
何だあの少女漫画チックなほのぼのムード。
え、ていうかヒソカ?
あのヒソカ氏と?
な、なんて恐ろしい夢を・・!(まさかの夢オチ)
ヒソカ関連ってことが尚更恐怖感を煽るんだが気のせいか?
オレの気のせい?
正夢だとか予知夢だとか、そんな、まさかな事態・・・ありえるな(だってヒソカ)
「え、本気でどうしよう」