第二期  不吉なメール




依頼

来週、ルブール美術館にて特別展示される
「ミミックの秘宝」を盗んで戴きたい。
成功報酬は五億ジェニー。

ゼノ.Z



添付ファイル有り

ただのメールだというのになんだろうこの圧迫感。
依頼主の名に、イヤなほど覚えがある。
でも確証はない。
あの人なら自分で強奪出来るだろうし、なんなら家族に頼んだっていい。
無名のオレに依頼する理由がない。
じゃあ、偽者?
もっとありえない。
不用意に騙れるほど軽い名じゃない。
本名をしっかり出しているということは、

「断れない、じゃん・・」

断れば殺す。
失敗すれば殺す。
成功すれば・・

「贔屓にでもしてくれんのかね・・」

あの家族内じゃマトモな大人だったし。
希望はまだ、あるよね・・?
心中で頭を抱えながら、気になる添付ファイルを開く。
そして再度固まった。

「・・・・いやいやいやいや」

添付されていたファイルの中は、ご丁寧にも美術館の見取り図。
依頼品である「ミミックの秘宝」の写真。
警備の配置されている場所と交代時間。
警備に念能力者が、分かっているだけで十三人。
なかにはもちろんハンターだっている。

はじめての泥棒仕事でコレはちと・・厳しいんじゃないか。
断る、なんて選択肢は初めからないけれど。