第二期  奇人との四時間 twotimethreetime




そうして何故、オレはこんな奴とゲームなんぞをやっているのか。
画面いっぱいに群れてくる腐敗死体のクリーチャー。
うぞうぞ、わらわら。

「ワ★」

ゲームコントローラーを両手に握って左右に体を揺らす。
右へ倒れてくるたび、オレの左肩にその固い腕が当たる。
右から左、左から右、たまに上へ跳ねる。
襲い掛かってくるゾンビから逃れるような動き。

「ワ、ワワ★」

遂にはコントローラーごと左へ倒れ込んだ。
画面にはもう見慣れてしまった赤い英字、ゲームオーバー。
ヒソカが操っていたゲームキャラがゾンビに食い殺されていた。

「・・・おーい、ヒソカさん」

倒れたまま微動だにしない。
この光景も何回目だろうか・・・。
動かない。
喋らない。
オレは黙ってヒソカの体の上へ乗り上げて、投げ出されたままの手に触れた。
男の手が掴んでいるコントローラーのボタンを、ぽち!

「あ、また・・★」

コンティニュー!

ぐわっと起き上がり、再度嬉々として画面に向かう奇術師ヒソカ。
彼のゲームキャラは次々と銃でゾンビを倒していく。
暗い屋敷内を彷徨い歩き、ゾンビと戦うサバイバルホラー。

「速いなぁ、もう・・・◆」

本当に、最近のゾンビは見事な動きをする。
その俊敏さにはさすがのヒソカも肩を落とした。
そして縋りつくように向けられる目・・・・・ハイハイ、参りました!(ちくしょう!)

「よっしゃあゲーマー舐めんなよオラァ!」

「頼りになるナァ♪」

こうして二人、ホラーゲームに向かう。
武器はゲームコントローラー。
ヒソカは相変わらず、襲われているのは画面の中だというのに動く。
銃を乱射。
効率よく手榴弾を投げつける。
地形を生かして待ち伏せる。
ナイフだって使いようだ。

「・・・・・」

「・・・・・あの、ヒソカさん?」

とっくに食い殺されていた彼のキャラを尻目に、すいすい進めてしまった。
その間にも左側へ、バッタリ倒れたままの男。

「・・・・・」

「・・・・・」

全く、世話が焼ける。
オレはまた、無言で・・・

「あ★」

コンティニュー!!