今目の前にいる男性は、想像以上に格好良くって、想像以上に
―――怖かった










     S h a l l   w e   d a n c e ?  〜夢とダンスを〜   StEP,04










その人からの身に突き刺さるような痛いほど強烈な殺気。
それに冷や汗を掻きながらも心のどこかで「眉間の皺が素敵・・・w」だなんて暢気に思えた自分に乾杯。

微動だにしない突きつけた杖。
眉間に寄った深い皺。
非常時でなければ決して目を合わせたくないと思うほど殺気を含んだ恐ろしく尖った灰の瞳。
上から下まで真っ黒なその姿。
どれもこれも、平和育ちな女子高生には少しばかり・・・・否、かなりキツイ。

特に杖、突きつけるなよ怖いから

「・・・・・」

「・・・・・」

嗚呼、この場から逃げ出したい。
体力テストで走るよりも速い記録が出せる気がする。
だって今のオレは、完全なる捕食者だから★
間違えなく殺られるからそんな馬鹿な真似しないけど。

心の中で深い深い溜息を吐き、キリスト教徒ではないけれど「アーメン」と十字を切る。
意を決し、内面的には泣きながら。
表面的には冷静に、謙虚に頼み込む。
これしかないのだと、自分に言い聞かせて。

「すみません!アルバス・ダンブルドアに会わせてくださいっ」

オレの一世一代のその言葉に、僅かに反応したものの突きつけた杖はそのままで、その人は口を開いた。

「貴様・・・・何者だ」

ちょっ、(外見だけは)いたいけな少女捕まえといてソレはないでしょうよ
と、しっかりツッコミつつも反面、やっぱり「低音ヴォイス〜w」なんて萌えてしまえる自分が大好きだ。

まぁーここはとりあえず、萌えてなんかいないで自己紹介でも。

「ぇと、名前は神代ぉ・・・じゃなくて、アキラ・カミシロですっ。ジャパニーズですね、ハイ」

こんなマトモな自己紹介したの何年ぶりだろう・・・。

「・・・では、カミシロ。なぜ我輩を呼んだ」

眉間の皺を更に増やして問うその人、セブルス・スネイプ魔法薬学教授。

なぜってそりゃぁ、会いたかったからw」なんて本音、この状況下じゃ口が裂けても言えん。
殺される。瞬殺される。視線で
だからちょっとだけ、嘘を吐く。
信じられる嘘を作るには、真実と同じくらいの嘘を混ぜ込むと良いのです。

「それはもちろん、安全かつ早急にダンブルドアに会うためです!
 ですから信用の置けるMr.スネイプに仲介をお頼みしようと思いまして☆」

「・・・・・」

「・・・・・」

痛いほどの沈黙。そして視線。

だ、ダメですか?
やっぱこの程度の嘘じゃスリザリンの寮監には通用しませんか。

「・・・・・なぜ我輩の名を知っている」

「へ?そ、それは・・・」

質問多いよ

「名高いホグワーツ魔法魔術学校の先生ですからね、ええ」

貴方がご出演なさっている小説と映画見てましたから!
が、本音。

だけどやっぱりオカシイだろうか。
ホグワーツに入学もしていない、東洋の子供が名を知っていることは。
・・・・・オカシイか。参ったな。

「ほう・・・」

ニヤリと意地の悪い、してやったりな笑みが憎い。

「ホグワーツのことをそこまで調べているとは、随分勉強熱心なことだな」

い、嫌味ったらしー・・・・!

ついイラついたときの癖で、無言で睨みを利かせてしまう。

「フッ、まぁいい。・・・来い」

「はっ?」

え、終わり?
もう尋問終わり?

ことの早急さについて行けず立ち尽くしていると、些か苛立ちを含んだ声で再度言われた。

「いいからついて来い!」

「は、はい!」

数メートルほど離れてしまった広い背中を追う。

「これがセブルス・スネイプかぁ〜」と、無意味に関心しながら。