skylineで恋をして
■その2
【阿散井恋次の場合】
入学式は見事に寝坊。
目が覚めて時計を見たら12時(昼)って、正直な話一人で笑った。
ありえねー!
おかげで久々に会えるはずだった幼馴染には会い損ねるし、尊敬してるそいつの兄貴には夜になって電話で
「やはりお前にはまだ一人暮らしなど早かったのだ」
なんて説教されるし(ルキアの奴チクリやがった!)。
初っ端から出鼻挫かれた気分で最悪だったのは確かだ。
教室に入って自分のクラスを見るまでは、な。
入学式の次に登校する日、俺はまたしても寝坊した。
「あの目覚まし絶対ぶっ壊れてやがる!」
自分の寝起きの悪さを棚に上げ、頭の高い位置に目立つ赤の長髪を括りながら学生の姿のない通学路を全力疾走。
ガタイのいい赤髪が凄い形相で走る姿はさぞ怖かろう。
現に今擦れ違ったOLは顔を青褪めさせていた。
子供がいたら泣き喚いているところだ。
制服はこの際乱れたまま。
校門を抜けた時に校舎から流れた予鈴に気持ちを急かされ、勢いを殺さずに聞き知っていたクラスへと飛び込んだ。
「すいません遅れましたあ!!」
我ながらデカイ声だ。
きっと隣のクラスはもちろん、その隣のクラスにも響いただろう。
戸にかけたままの左手に体重を乗せて楽な体勢をとり、顔は重力に逆らうことなく床へ向く。
激しく上下を繰り返す肩を抑えることなどせず、呼吸を整えようと荒く息をしていたところで。
床に向いていた目線が少し上がり、視界の隅に幼馴染の微笑を捕らえた。
「(っ、目が笑ってねぇえええええッ!!)」
幼馴染である朽木ルキアの微笑はうっかり見惚れるほど美しいが、彼女の目は酷く冷めていた。
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