skylineでをして   



■その6
 【
朽木ルキアの場合】





時というものは止めようもなく流れていく。
クラス内で新しい友人を作り、新しい先生や授業に慣れた頃にふと窓の外を眺めれば、
そこには桜色の絨毯と青葉が輝いていた。

「あ。もう散ったのか?」

ひょいと私の後ろから顔を覗かせた橙頭の友人は残念そうに声をあげた。
つい一昨日頃までは僅かでも咲き残っていた桜の花も、昨日の強風に散ってしまったのであろう。
それにカレンダー上では明日から5月になる。
今年も相変わらず進む地球温暖化の影響で異常気象だ。
長袖のシャツが暑い。

「オイ一護、GWどうなった?」

「あ!行く行く」

未だ外を眺めていた私に付き合っていた一護は恋次とゴールデンウィークについて会話し始めた。
この二人は私が引き合わせた後、ずっと長い間友人だったかのように気が合い、とても仲が良い。
そして当初の思惑通り、恋次のガタイと強面にビビッて愚かな連中の一護への視線も緩和した。
一護は怠けがちな恋次を上手く世話している。
お互いのマイナス部分をしっかりと自然に補えており、予想を遥かに超えた収穫だった。
たまに衝突し大きな喧嘩も起こるが、大抵は翌日に仲直りしているので良しとしよう。
今回のGWはどうやら、恋次のマンションへ一護が泊まりに行くらしい。
GW中に近所で祭りがあるとも言っていたから、二人で時間を気にせずに遊ぶのだろう。
一護には小島や浅野のように理解者である男友達はいたが、どうしてもその優し過ぎる性格ゆえか、
気を使い負い目を感じるせいで歳相応に遊べていなかった感がある。
しかし恋次は馬鹿でアホだが、不思議と一緒にいて気を使わせない。
何があっても気付かないうちにフォローし全てを終わらせてくれている。
決して傷つけず、かといって護るだけでもない阿散井恋次という人間は、一護にとってこの先ずっと良い友人となるだろう。

「一護が家事担当な。俺は食って寝る担当」

「ふざけてろ馬鹿野郎」

ふざけ合う声が本当に楽しそうで、高校生になってから見る機会の増えた一護の笑顔に、私も自然と笑みが浮かぶ。
ああ、このまま。
このまま何も悪いことなどなく、彼が傷つくことなどなく。
平和な日常が過ぎてしまえば良い。

「ルキア、帰ろうぜ」

「ああ。今行くぞ、一護」

向けられる
笑顔に、願う。









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