skylineで恋をして
■その7
【黒崎一護の場合】
きょとんとした二対の目。
そのうち色素の薄い方が潤み出し、耐え切れないように叫んだ。
「私も一緒に行くッ!」
可愛がっている妹―遊子―がそう哀しそうに涙ぐんでしまい、一護は思わず狼狽した。
明日からのGW中、恋次のマンションへ泊まることを双子の妹達へ伝えた結果がコレだ。
自分で言うのもなんだがお兄ちゃん子の遊子が泣く、あるいは怒ることはある程度予測していた。
それでも実際にその場へ立つとどうしようもない。
なんせ可愛がっている妹だから尚更(これが親父だったらもう殴り倒している)。
「いち兄ぃ、もう少し早く言ってくれれば良かったのに・・・」
遊子と違い冷静で、尚且つ呆れたようにそう言ったもう一人の妹―夏梨―も、少しだけ黒い瞳が淋しそうな色を見せた。
夏梨は余程のことがない限り泣くことはないけれど、淋しさを我慢させてしまうのには参る。
「ご、ごめんな・・・・祭りにはさ、一緒に行くから・・」
「ホントに?!」
慌てて付け足したような祭りへの誘いに、遊子は花が咲くようにパアッと笑った。
さっきまで泣いていたのが嘘のようなキラキラ輝く目と、嬉しさからくる興奮で赤らんだ頬が惜しみなく向けられる。
「いち兄ぃ大丈夫?無理しなくても・・」
それでも夏梨は一護を心配したような、戸惑いの表情を浮かべていた。
一護は長男で、この二人はたった二人だけの妹で。
制限なく甘えられるのが嬉しいのも事実だし、甘えてもらえないのが淋しいのも事実だ。
実の妹に遠慮させてしまったのも申し訳ない。
「大丈夫だっての。心配すんな!」
恋次なら事情を話せば文句は言うものの付き合ってくれるだろうし、
自分自身このまま可愛い妹達に淋しい思いをさせたままじゃいられない。
「それならいいんだけど・・ありがと」
「ありがとうお兄ちゃん!」
ニコッと礼を言われて、柄にもなく照れてしまった。
「い、いや、その・・・まあ、親父には内緒、な?」
その照れを含んだ悪戯っこのような笑みに「可愛いな〜・・」なんて思った妹二人の心中を兄は知らず。
一護は明日から世話になる友人へと連絡を取ろうと携帯を持った。
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