White Lover           (副題)愛はあってもロマンはない。  


仕返しだ、これは仕返しだ。
強く言い聞かせて現世に下りた。

「あれ、グリムジョー?」

キョトンとした顔で布団から這い出てきた一護は俺を入れるために窓を開けた。一護のベッドに
素足をつけてから自分で窓は閉める。じゃないと怒られるからだ。胡坐をかいて一護の真正面
を陣取ったが、外から入った身を刺すような冷気に一護が身体を震わせるのを見て、俺は咄嗟
にその(俺にとっては)華奢な身体を無言で抱き締めた。

「グリムジョー・・?」

普段とは違う何かを感じたのか、一護は俺の名を呼んだだけで後には何も言わず、ただ黙って
両腕を俺の背に回した。二人の体温が心地良く感じる。ずっとこのままでいたいと思うほどで、
一護もそう思ってくれたのか、俺の胸にある一護の顔が甘えるように擦り寄って、安堵するよう
な息を吐き出した。

「一護、お前にやるもんがある」

わざと声を低くさせて耳元で囁いた。ついでに可愛い耳を舐めてやれば、腕の中の体はぴくり
と反応する。その体温も一気に上昇するのが分かった。

「ん、な、なに・・」

声が震えていた。顔はきっと赤いだろう、隠すように俺の胸へ押し付けている。可愛いだろうそ
の顔は見たかったが、あとでどうにでもなるだろうと俺は気にせずに目の前の耳を責めた。舌
で舐めて歯で甘噛みして、その音が聞こえるようにわざと卑猥な音をたてる。抱えた体に力が
入り強張った。背中に回っている手にも力が入って、ぎゅうと強く俺の白い服を引っ張る。顔を
押し付けたままの胸へ熱い息がかかった。

「っは、ぐりむじょ・・やめっ・・・」

弱い抵抗の声が上がるが、それが本気じゃないことを分かっている俺は行為を止めない。舌で
歯で、音で一護の耳を犯し、最後にちゅうっと吸うようにキスを落としてから俺はようやく顔を上
げた。

「ぁ、・・はあ、っ・・・」

思っていた通り、一護は可愛い顔をしていた。垂れた目は涙に潤み、頬は熱く上気している。力
なく半端に開いて喘ぐように荒い呼吸を繰り返す口に誘われて、考えるまでもなく噛み付くよう
に口付けた。

「んんっ、ふっ・・・ぁ、あ、」

喘ぎ声すら喰らうように乱暴に口内を掻き乱す。歯列を舐めて舌を絡めて、ぐちゃぐちゃに犯し
た。腕の中の体にはもう力なんてない。されるがままに翻弄されて、口の端から止め処なく交
じり合った唾液を流して首や服を濡らしていた。苦しげな一護の様子に名残惜しく口を離し、最
後まで残った舌で濡れた唇を舐め取る。

「ぁっ・・ぐりむ、じょ・・・」

涙と唾液に濡れた扇情的な顔が仰ぎ見る。俺は手に持っていたままだったそれを見えるように
掲げた。現世で売られている、赤と白のパッケージに牛の顔が描かれた、それ。

「ぁ・・・?」

「プレゼント返しだぜ?一護」

犬歯を見せてニヤリと笑う。
猫だから、と。一ヶ月前に貰った猫じゃらしのお礼。
いちごだから、と。持ってきたのは苺にはかかせないであろう練乳。

「たっぷり味わえよ?」

愉快気に笑うグリムジョーに構わず、その場の空気が凍りついた。