ぎちぎちと、あまりのキツさに身体が悲鳴を上げる。
「ぅ、ぁっ・・・っや、やめ・・っ」
制止の声はいつだって無視される。
白く硬いベッドに突っ伏した四つん這いのような状態で、溢れる涙はシーツを濡らした。
「っ、はぁ・・・・一護、どうだ?」
気持ち良いか?
いつもより特別低く色気のある声で、皮肉気に男は笑った。
長い舌で項を舐め回し、尖った犬歯で左耳を甘噛みすれば、一護はその刺激に震える。
「なぁ、どうだよ、一護・・・」
「う、るせっ・・・ぁ、くそっ」
しつこい声に悪態を吐けば、男は尚更可笑しそうに低く笑う。
その振動に、一護は己の中の熱い存在を意識させられた。
決して強くはないが、かといって止まっている訳ではないその僅かな動きに中を突かれる。
「んぁ、っぁ、あ、やっ・・・っ笑う、な!」
「ああ、悪ぃ悪ぃ・・・・感じちまったのか」
その言葉にかあっと熱が顔へと集まる。
生理的ではない涙が溢れ、頬を伝うことなく垂直にシーツの染みの一部となった。
「・・もう、やめろよっ」
一護は搾り出すように、掠れた声で叫んだ。
渦巻く胸の内に怒りと悔しさと哀しみはあっても、何故か憎しみだけはなく。
それは、幾度となく身体を繋いだ所以か。
それともこの意地悪な最低最悪男が、実は酷く人間的で可愛い性格をしていることを知ってしまっている所以か。
ただ、何もかもが分からないうちに始まったこの男との関係に、少なからずとも思い入れがあるのは事実だった。
「・・・・んだよ、クソっ」
様子のおかしい一護を組み敷いたまま男は苛立ち気に毒づく。
そのままベッドに臥せっていた一護の顔を片手だけの力で無理矢理上に向かせた。
「ぃ、痛っ・・・何、すんだっ」
無理な姿勢に首が痛む。
そんなこともお構いなしに、男は一護の頬を舐めた。
頬から目尻、瞼へと、丁寧に涙を舐め取っていく。
それは酷くくすぐったく、同時にこの男らしからぬ動きだった。
「お、おい・・・・んあ、っ」
困惑する一護の制止はもちろん無視されて、何の前振りもなく中に埋っていた熱いモノを引き抜かれた。
そのまま片手の力のみで一護の身体を引っ繰り返し、顔を真正面から見下げる。
男のキレイな水浅葱の前髪は乱れて、筋肉質な身体は一護と同じように汗で濡れていた。
「よぉ、一護」
ニヤリと気さくに、たった今会ったふうに声をかけた男の、髪と同じキレイな色をした獰猛な目。
そこに写る自分の姿を捉えて、一護は諦めたかのように笑った。
「よぉ・・・グリムジョー」
ああ、この男のこんなところも自分は好きなのかと、発見した自分の気持ちが何だか可笑しかった。
橙と水浅葱は何故笑う