【拍手お礼。だったもの】
 テーマ:四月馬鹿エープリルフール





気持ちのいい青空に揺れる白い雲。綿菓子みたいだと子供のような思考で空を見上げた一護の背に、間の抜けた関西弁が声をかけた。

「ん?なんだよ、平子」

黄のおかっぱを掻きながら気だるそうに歩むその足は一護の隣で止まる。

「真面目な話、あんねんけど・・・」

「は?」

本人がそう言うとおり、今回は本当に真面目な話をするらしく、平子は珍しく口数が少ない。真面目、と言うからにはきっと、死神や仮面の軍勢のことなのだろうか。もしかしたら俺の虚のことだろうか。

「何、だ・・・?」

些か緊張した面持ちで平子を見やれば、彼は空に目を向けたまま。



「一護、好きなんや。付きおうてくれ」



言われた言葉に一瞬聴覚が麻痺した。だけど一瞬だけで、すぐに正常に動き出した耳はただ少し冷たい風の音だけを捉える。脳内にはさっきの言葉が入ってきてしまっているから、どうにもこうにも出来ない。一護はもう、聞いてしまったんだから。

「・・・・・は?」

正常な判断を放棄した脳は馬鹿みたいにぐるぐるぐる同じところを繰り返す。

「好きなんやって、お前が」

平子は再度、空ではなく一護の目を見て言った。途端火がついたように赤に染まる一護の顔。心臓がオカシイくらいに早く脈打っている。嫌だと思わないのは何故だろう。何も考えられずに口をパクパク閉開させる一護の顔をしばし見つめ、平子は小さく溜息を吐いた。

「アホ。今日はエープリルフールや」

「え?」

「嘘や嘘!冗談やって」

そう言いながら一護に背を向け歩き出した平子。その発言を何度も何度も頭の中で噛み締めて、一護はホッと息を吐いた。だけど少しだけ残念に思ったのも事実で、何とも複雑な表情で遠く離れた平子の背を見送った。


「・・・・・嘘かよ」


そんな呟きは誰にも聞かれることなどなく。平子もまた、自身の背に一護の視線を感じながら呟いた。


「嘘が嘘や・・・気付けドアホ」


今頃になって赤く染まった顔に、冷えた風が心地良かった。










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