敵との交戦。
血が滴る。刀が鳴る。本能が牙を剥く。
ぞくり。
全身が震える恐怖。殺気。死の予感。
負けまいと戦うも、世界は俺を、殺したいらしい。
雨の降る日は嫌いだった。
ひどく泣きたくなる。
母の死んだ日、天は俺を見放すように、泣いた。
殺気の中。恐怖の中。
死の渦の中で、厚く天を覆い太陽の日を隠した雲は泣き出した。
なんの感慨もなく。恐怖すらなく。
何も見えず。
暗く泣く空だけが目に映る。
ざわり。
騒ぎ出す中の彼。
その声すらどこか遠く、中の彼が焦れたように外へ出てくるのに抵抗すらない。
天を仰ぐ瞳が、飴色から金へ。囲う白目が漆黒へ。
肌の色。橙の髪。黒の死覇装。すべてが色を失い、白となる。
「・・・くそっ」
その口から青い舌が覗き罵る言葉が生み出されたとき、既に視界から天は切り離されていた。
「馬鹿がっ・・・簡単に死のうとしやがって!」
その両手が顔を覆った。
そして徐に全身からは殺気が溢れ、生にしがみ付こうと、ただひたすら死を狩った。
死を仰ぐ
俺にはお前しかいないのに、簡単に死のうとするなんて 許さない。