グリムジョールート
何の違和感もなくゆるりとそこに立つ破面。
――敵だ。
ざわり。染み付いた条件反射で全身から溢れる殺気。構える身体。
だが腰へやった手は空を掴む。っえ?!
あ。ああ、そうだそうだ・・・俺は制服だもんな。死神化してねえもんな。
だってここ学校だし。そりゃ帯刀してるわけないよな。うんうん。
ああ〜・・・。
「・・・・・」
ビシリッ!
中腰で腰に手を、抜刀する形で石のように静止してしまった一護。
「・・・・・」
「・・・・・っ、クッ」
口を抑え腹を抱え笑い始めたグリムジョー(破面=敵)。
それを未だ固まった姿勢を解けないままに見て顔を赤く染める一護(死神)。
「クククッ・・・やっぱおもしれぇなお前」
「っ、ぅ・・!」
何だよ!何なんだよこの状況!くそっ。
「何だよてめえ!」
半ばヤケクソで赤い顔を顰めて叫んだ。
その様子にまた笑いを誘われて、今度こそ犬歯を剥き出しに大口開けて笑い出す破面。
「ギャーハハハハッ!ァハハハハハハハ!」
「な、こ、このォ・・」
この野郎そこまで笑うかよフツー・・・。
拍子抜けした。馬鹿みたいにガキみたいに笑うその顔を見て、一気に気が削がれた。
一護の体からようやく力が抜ける。
まだ笑いを含んだままの口元を晒して、グリムジョーは偉そうに踏ん反り返った。
「オラ死神、行くぞ」
「は?」
いつのまにか視界は回り、両足は空を掻き、腰には強い力と温もりが。
「ぇ・・?」
え、ちょ、なっ、何だ何だ何だオイ何だこれー!!
もしもし警察ですか?ここにド変態がいるんで捕まえてください。
本気で迫るなよグッとクるだろーが。