緊張した体は柄にもなく震えている。
情けねえ・・。

だけど、ずっと好きだったんだ。
ずっと見てきたじゃねえか。
一緒に戦いながらも護りたい、だなんて思ってた。
偶に見せる笑顔が好きなんだ。

俺は本気なんだ。

「・・一護、俺・・・俺は・・・」

「んだよ、ハッキリしねえなあ」

「ぅ゛・・」

イラついたような一護の低い声に言葉が詰まった。
一護のタレ目が鋭く恋次を睨んでいる(ように見える)。
いつも寄っている眉間の皺も深い。


ダメだ。
これは
――・・殺される。


「オイ、恋次」

一護の声が低い。
目にも殺気が滲んでいる気がするのは気のせいだろうか。
気のせいであろうとなかろうと、それが恋次の“本気”を打ち砕くには十分の効力だったが。

「わ、わわわわ悪い何でもねえッ!」

「は・・?」

「何でもないんだあーっ!!」

鋭い目に耐え切れず逃げ出した恋次の後ろ髪を唖然と見つめ、一護は不貞腐れたように呟いた。

「ヘタレめ・・・」

教室に響いたその声がどこか残念そうだったのは、気のせいじゃないのかもしれない。
赤く染まった一護の頬と耳がそれを物語っていた。















「っていう夢を見たって言ったら、殺されかけた」

体中に包帯を巻いた恋次は、そうルキアに語った。
話を聞きながら手当てをしていたルキアは己の幼馴染のアホさ加減に呆れ溜息を吐きながら、少し離れた場所で仲間に宥められている一護を伺う。当たり前だが、そんな話をされた一護は原因の恋次をそりゃあもう盛大にボコした。が、まだまだ足りない様子で肩を怒らせている。
ルキアはもう一つ大きな溜息を吐き出して、恋次の赤い頭をポコッと叩いた。

「ダアホめ」

一護は怒っている。その大元の理由は確かに恋次の見た“夢”が原因かもしれないが、真の理由は一護を見れば明らか。一護を見ていれば明らかだった。

「全く・・・この“ヘタレ”が」

「ああ?んだよルキアまでよお」

一護の頬も耳も、恋次の見た“夢”通りに赤かった。きっと“怒り”ではない色で。





ご馳走様ッ!