君は隣り町の、冷えた屋敷に一人きり。



今宵の獲物を攫った俺は、この夜空の下、白い翼で飛び立とう。

淋しい君の元へ、愛を伝えに。


今、同じく淋しい鳥が一羽、降り立ちます。




夜風に凍えた身体はきっと、君が入れてくれる甘いココアで直ぐに温まる。

そしたら俺はココアの礼に、とびっきりの夢を魅せてあげる。



君は笑って手を叩き、夢が終わると同時に、必ずこう言うだろう。




「・・・何だよお前、捕まりたいの?」




いいえ。残念ながら私はもう、既に捕らえられているのですよ。


―――名探偵、貴方の心に。




紳士ぶった口調は君の笑顔を苦笑に変えて、楽しかった瞳を哀れみに変えた。




「カワイソウな奴。俺なんかに捕まって」




そう言う君が一番カワイソウで、悲しくて。


俺は思わず、その冷えた身体を抱き締めた。








軽くスレてる名探偵と健気な怪盗の、ちょっとしたお話。