その手は掴めなかった。
無邪気に伸ばされたその手には、忌々しい証がある。
アノ森は何故この子供を選んだのだろうか。
アノ森は何故この子供でなければならなかったのだろうか。
アノ森は何故 俺を 選ばなかったのだ。
無邪気な手は不意に怯えを見せる。
気付くと強く握り締め、その証を睨みつけていた。
子供の目が、手が、体が怯える。
「ご、ごめん、な さい・・」
どうしてお前が謝るんだ。
悪いのは俺なのに。
邪険にし、苛々し、嫌う。
そう、お前は悪くない、のに。
「(ごめんな・・・)」
それでも言葉は口から出せなくて、その小さな震える体を抱き締めるのだ。
何故なんだと、何度も問いながら。
□ 何故 □
俺はお前が好きだよ
だけどその証が、お前を奪うアノ森が、殺したいほど憎い