君のことは好きだけど、君の言う「好き」と違う気がするのは何でだろう。

そして、どうして、胸の辺りが疼くんだろう。


分かんないや。










   
 の か ら 騒 ぎ    bQ










俺の知ってる獄寺くんは、不器用で怖いけど、でも、優しい人。
情に厚くて気配り屋で、ただソレがちょっと、一直線に向かっちゃうだけなんだ。


ほら、今日も、大好きな“十代目”に一直線。

「十代目ぇええええ!」

遠くからでも聞こえるぐらいの大声で俺のことを呼び叫んで来た獄寺くん。
今ではだいぶ慣れたけど、それでも恥ずかしいことは恥ずかしい。

「ご、獄寺くん・・・」

俺は(多分)逃げないから、お願いだからその呼び方で叫ぶのはヤメて・・・。

妙に周りからの注目を集めるけれど、それも側まで走ってきた獄寺の射殺すような眼光ですぐさま外れる。

「(十代目を見てんじゃねえよ!!)」

そんな獄寺の周囲への牽制を知らない綱吉は、いつもの困った表情でおずおずと、獄寺の乱れた制服の裾を引っ張った。

「あ、あのね、獄寺くん」

「っハイ!何でしょう十代目!」

なんでもお申し付けくださいと、獄寺はそのハンサムな顔にとびっきりの笑顔を浮かべる。

わぁーやっぱり格好いいなぁ獄寺くん、なんて。
頭の片隅でそう思った綱吉は、「あっ」と小さな手で掴んだままだった獄寺の制服を離した。

「っ、じゅ、十代目・・・?!」

ああ、やっぱり皺になっちゃった。

自分が握り作ってしまった裾の皺を、ああどうしよう謝らなきゃと見ていた綱吉は、獄寺の小さな反応に気付かなかった。


「(あ、あの野郎の言ってたことが、今現実に?!)」

思い出されたのは、あの、爽やかな笑顔。

「(・・・・十代目に、十代目に、嫌われるなんてっ!!)」

思い余って、獄寺の両目に涙が溜まった。

「ご、獄寺、くん・・・?」

どうしよう!獄寺くん泣いちゃった!

速く謝れば良かった!なんて、綱吉はオロオロと視線を獄寺の顔と皺になった裾とを往復させる。

「ご、獄寺くん、ごめ」

「っっっ!!」

綱吉の言葉を最後まで聞かずとも、今の獄寺には十分だった。

「失礼しますっ!」

「え?」

バッと頭を下げ、バッと身を翻し、獄寺は一人その場に綱吉を残して、嵐のごとく走り去っていった。


「・・・・・え?」

獄寺くん、そんなに皺になっちゃったのが嫌だったのかな。怒ってるのかな。

「どうしよう・・・」

探して謝らないと。



お互いに勘違いしたまま、その日獄寺は綱吉の前に現れなかった。




















すれ違いにすれ違いが重なって、いつか分かり合えればいいんじゃないの的に。
ツナが天然なうえに乙女化してしまうよ・・・orz