好きなもんは好きなんだからしょうがないッ!
(あれ?このニュアンスどこかで聞いたような・・)





歌うは語り部なりて。





今朝旧友のアジトからの帰り道で、意中の彼を見かけた。市中見回りであろう早朝から働くその凛々しい姿に今日も惚れてしまう。アイツは何度俺を惚れさせる気なんだ。

「だから朝っぱらから珍しくハートが飛び散ってるんですね」

部屋に充満したハートを逃がすように窓を開けて見せながら、新八は疲れたように発信源を見た。

「だってさーだってさー、すんごく格好良いんだもん!」

「もん!言うな」

本人曰く「久々にハートをがっちり捕まれた!」という恋は今日も健在のようで、トレードマークのような死んだ魚の目が、今やキラキラ眩しい恋する乙女の目になっている。そのテンションもまた然り。

「そんなに好きなら告白しちゃえばいいじゃないですか」

「ばっ・・フラれるに決まってるじゃん!ブロークンハートに決まってるじゃん!」

言いつつフラれた様子を想像したのか、涙目になっているその姿がなんだか痛ましい。本当に本当の、本気の恋なんだなと、今更ながらに実感した。
今まで軽く流し気味でごめんなさい。

「フラれるって、決まってるんですか?」

そりゃ、男同士の恋愛なんてちょっとアレだけど、でも銀さんなら許されるという気がするのは何故だろう。身内だから?それもある。けど、それだけじゃなくて、銀さんは・・・

「銀さんは、魅力的な人だと、僕は思いますけど」

銀色の髪は綺麗だし、本人は気にしている天パもふわふわしていてカワイイと思う。肌は真っ白で、赤い目はやっぱり綺麗で、正直身内の贔屓目を除いたってこの人はキレイな人だ。

「新ちゃん、て・・・・結構恥かしいよね」

目線を逸らして赤い顔をしたそれが、また可愛く思えて笑えた。そう言う銀さんは可愛いですね、なんて、今度こそ恥ずかしくて言えやしない。