お父さんは認めません!
恋歌うは語り部なりて。
中へと入るための餌(饅頭)を片手にやってきた旧友は、開口一番に声を張り上げた。
「あんな男が相手だなんて認めません!!」
妙に力の入ったそれに大きく溜息吐いてみせて、仕方なく一言。
「お前帰れ」
「え、そんな・・!?」
そんなも何もない。来て早々に人の恋を反対する旧友がいるかバカヤロウ。
「なんで反対すんだよ。高杉は応援してくれたのに」
正確には、高杉も別に応援したわけじゃないが・・。それでも思っていた通りのこの旧友の態度に、自然とテンションが下がってくる。万事屋のコタツで二人丸まって、手土産の饅頭を突きながら話すこの構図は二、三日前の隻眼の旧友と全く同じ。なのに内容は全く真逆。
「真選組だぞ?!敵なんだぞ?!」
「お前のな」
「・・・。ど、瞳孔だって開いてるし!」
「カッコイイじゃん」
「・・・・・。マヨネーズ中毒のニコチン中毒だし!」
「マヨはどうかと思うけど、煙草吸ってる姿はすんごい格好良い・・」
「・・・・・。あ、あとは・・えと・・・」
「他にこれといった欠点ないじゃん?完璧じゃん?最高じゃん?」
「う、うーん・・・」
「お金持ってて仕事に真面目で人望あって、顔も良くて背も高くって、そのう
え強い!」
「そう言われれば、まあ・・・・・ん?」
あれ?いつの間にか惚気話になっていないか?
ふにゃりと幸せそうな笑みを全開にさせた銀髪を前に、長髪の旧友はようやく気付いた。彼の幸せな恋するオーラにまんまと乗せられている。さっきまでは萎んでいた周りを飛び交うハートも復活して、部屋全体にピンク色を撒き散らしていた。よくよく見るとハートだけじゃなく花まで飛んでいるように見えるのは気のせいであろうか・・。
「邪魔してみろよ。絶交するからな」
えへ、なんて可愛らしい笑みで言い放たれたその言葉は逆らうことを一切許さないような威圧感を持っていて、反射的に首を縦に振っていた。
友が、怖い・・・!
「ま、ままま饅頭が美味いなぁあ・・」
「ホントに!美味いよこれー!」
もうこれ以上踏み込むのは命取りな気がプンプンして、必死で話を逸らした。