騒々しい隣人、10の悪行
食後のデザートにプリンをぷっちん。
「ぷっちんしてこそのプリンだよね!」
皿の上でふるふる震えるそれを銀のスプーンで突く。
押し切られるようにここまで来た。
流されるようにここまで来た。
さあ、次はどう来る?
内心で俺はかなり身構えて警戒していた。
「ん、おいしい!」
無邪気に笑う、得体の知れないこいつ。
促されるように俺もひと掬い。
口に含んだところで、
「ね、土方くん!」
目の前にもう見慣れた笑顔。
ああ、そうだ、もう見慣れた。
昨日から同じこの笑顔しか見ていない気がする。
まるで型でもあるような。
「あのね、あのさ!」
少し意気込んだようなこの口調。
緊張してるように固まった・・・え、緊張?
どうして、緊張?
「俺、実は土方くんに一目惚れしちゃったんだよね!」
「・・・・・・・・・・え?」
口の中に残ったカラメルが、やけに苦く感じた。
10.騒々しい隣人の悪行